紫外線の強い国の日焼け対策 意外と知らない肌色のひみつ

2016.07.25 Mon

wellib6

紫外線の強い国の人々でも、日本人ほど日焼け対策をしない人がいる。というか、日本人の日焼け対策を見て、異常だとみる外国人も多いようだ。では、紫外線の強いと言われるアフリカ、インド、オーストラリアなどの人々は紫外線対策をどうしているのか。

アフリカ、インドの方々は、日本ほど日焼け対策を行なわない。それは、進化の過程も影響している。人の祖先はアフリカで生まれたという通説がある。進化の過程で体毛を失った人類は、他の動物と比べて紫外線から受ける影響が強かった。強い紫外線は表皮細胞の核の中にあるDNA分子にダメージを与えるため、皮膚がんを引き起こすリスクを高めることになる。この状態から肌を守るために生成されるのがメラニン色素が詰まったメラノソームというもの。黒い色をしたメラニン色素の影響で、肌の色が黒くなる。日焼けで肌色が褐色化するのはこのためだと言われている。

紫外線の強いアフリカ、インドでは、人類は生きるために褐色の肌色を手に入れたのだ。つまり、進化の過程でもともと紫外線に強い肌を手に入れたのだ。そういうわけで、彼らは日本人ほど紫外線の影響を受けないため、日本人ほどの紫外線対策を行なわないという説がある。とはいえ、紫外線による被害はこうしたエリアにも影響を与えている。例えばアフリカ。視力が良いイメージの強いアフリカだが、成人の視力は子どもの頃と比べてかなり低下する傾向にあることが分かっている。これには紫外線の影響が考えられるという話もあり、アフリカでも目を紫外線から守るサングラスの着用などが注目されはじめているようだ。

ここで、もう一度進化の話しに戻りたい。人類は地球上の各地へ移動、紫外線の弱い地域にも住むようになる。紫外線の弱い地域では、日光により体内に取り込むことができるビタミンDがなかなか取りこめない。濃い肌色は紫外線から皮膚を守る働きが強いため、ビタミンDを合成する力が弱いという弱点があった。こうした紫外線の弱いエリアに移住した人類は、今度は肌色の薄い人類に進化していったのだ。日本人を含むアジア中緯度の地域の日差しは強すぎず、弱すぎず。というわけで、肌の色も中間色的なものとなったと言われている。

アフリカ、インドの人が紫外線対策として行っているのは長袖を着用するくらいだが、白人の移民も多く、オゾン層の影響で紫外線量の増加が懸念されているオーストラリアでは、子どものころから日焼け止めを使うのは当たり前。街ではポンプ式のボトルに入った日焼け止めがよく売られている。面白いのがその成分の違い。日本では付け心地もかろやかで、長時間のブロックが期待できる紫外線を吸収するタイプの日焼け止めが主流なのだが、日本の5倍の紫外線量だと言われるオーストラリアの強い日差しでは太刀打ちができないとされている。

オーストラリアで一般的に多く販売されているのは紫外線散乱剤により、紫外線を跳ね返すタイプのもの。こちらは強い紫外線もブロックする効果が期待できるからということらしい。SPF値は弱いため、こまめに塗り直さなければないけないという弱点はあるものの、紫外線ブロック率を優先して、こちらのタイプが主流となっている。日本からの観光客も多いオーストラリアだが、日本から持参した日焼け止めでは、オーストラリアの紫外線はブロックできないかもしれないので、注意したほうがよさそうだ。みなさん、オーストラリアへ渡航の際は現地で日焼け止めを買おう。

(text:宮本 さおり)